電子マネー「Edy」やSuicaは、
ANAマイルや
JALマイルを貯める上でも重要な意味を持ち、陸マイラーにとってもなじみの深いプリペイド式電子マネーです。
2大電子マネーとも呼ばれ、絶対的な知名度・利用率を誇っていたのですが、
流通系の電子マネーWAONとnanacoが参入しその勢力図を塗り替えようとしています。特に、株式会社セブン&アイ・ホールディングスが運営するnanacoの躍進は目覚ましく、月間利用回数3000万件を突破しEdyやSuicaを抜いて利用回数No.1に躍り出ました!
これからは、nanacoの時代が到来します!
…ということになっています。
先日、日本銀行が公開した「
最近の電子マネーの動向について」や、Business Media 誠の「
Edyの累積発行数が4000万枚を突破――FeliCa決済利用状況(5月版)」でも、そういった旨の情報がつらつらと記載されています。
ただ、セブン&アイは「
7月11日にnanacoの発行数400万枚突破!」とか都合のいいニュースを出してくるような会社なので、もん太郎はあまりこの企業自体を信用していないんですよね。
近所のセブンでもnanaco使っている人見たことないし…
nanacoって本当にそんなに人気があるの?と、疑いの気持ちが発生して素直にnanacoがEdy(エディ)やSuicaを凌駕する電子マネーであると認めることができません。
Edy(エディ)、Suica、nanacoなど、プリペイド式電子マネーの勢力分布が調べられないか?
リサーチサイトの情報で電子マネーの人気は測れるか?
まず注目したのが、各種リサーチサイト。
楽天リサーチやC-NEWSなど、
一番利用している電子マネーのやその用途についてまとめられたリサーチ結果はWeb上にも多数存在します。
この結果を見れば一目瞭然!どの電子マネーが一番人気があるのかすぐにわかるはずです。
最新の電子マネーに関するリサーチは楽天リサーチの「
電子マネーに関する調査(2008.8.21)」で確認できました。
このリサーチ結果では、「Edy(エディ)」28.2%、「Suica(スイカ)」28.1%、「nanaco(ナナコ)」12.9%と、EdyやSuicaとはダブルスコアとなっていますが、一応第3の電子マネーとなっているようです。
ただ…同じ楽天リサーチの1年前の調査「
電子マネーに関する調査(2007.7.3)」では、Suicaが断トツの一番になっています。
nanacoは出てきて間もないのでさほど伸びていないのはわかるのですが、Edy(エディ)とSuicaに1年でこれほどの違いが出るとは思えません。…なんか意図的なものを感じるのはわたくしだけでしょうか?
はっ!
Edyでポイn…(自粛)ということで、この情報は参考までにとどめておく必要がありそうです。
ネットユーザーの動向から電子マネーの人気を調べてみよう!
次に注目したのが、ネットユーザーの動向です。
人気があれば検索される回数も増えるはず!ということで、google先生にご協力いただきました。
利用するのは、「
Google Insights for Search」というツール。
特定のキーワードに対し、どの程度の検索(回数ではなくて比率)が行われているのか調査するツールです。
同時に検索できるのが5つのキーワードまでということで、今回対象にしたのは、「Edy」「Suica」「PASMO」「nanaco」「WAON」の5つの電子マネー。さっそくその結果を見てみましょう。

※クリックすると画像を拡大します。
ここ1年では、「Edy」が一番検索されていて、差がなくSuicaが続きます。
ただ…2008年3月後半からは、Suicaの検索数が逆転しています。
Edyによるコンビニ収納代行中止の影響ですね。
その他の電子マネーでは「PASMO」23ポイント、「nanaco」9ポイント、「WAON」7ポイントと、検索結果では、nanacoとEdy・Suicaには6倍以上の開きがあり、少なくともインターネットの世界では、EdyとSuica以外はあまり需要はないようです。
EdyとSuicaがどこで利用されているか?
ちなみに、「
Google Insights for Search」では、地域ごとの検索割合を出すこともできます。電子マネー毎の特徴がみれて面白いですよ。
◆Edyの場合
※クリックすると画像を拡大します。
やはり一位は沖縄県です。次いで石川県、香川県と続きます。ただし、2位以降に大きな開きはなく、右側の日本地図にあまり濃淡がありません。
特定の地域や企業に縛られない、独立系電子マネーEdy(エディ)らしい結果ですね。
◆Suicaの場合
※クリックすると画像を拡大します。
神奈川県、群馬県、千葉県などの首都圏と、Suicaが利用できるようになった宮城県で検索が集中しています。また、ICOCAとの相互利用で、ICOCA地域でも検索数が増えているようです。(PASMOもほぼ同等)
一方、Suicaが利用できない地方ではあまり検索されることもなく、右側の日本地図の濃淡がはっきりしています。
nanacoとWAONについては、総数が少ないのであまりおもしろい結果になりませんでしたので、記載しませんが、nanacoは北関東~南東北、WAONは沖縄と三重での検索数が多いようです。
nanacoはなぜ一部地域で検索数が増えているのか?
セブンイレブンは全国にあるNo.1コンビニなので、nanacoは全国同じような普及率かと思ったのですが、検索ユーザーの多い地域は北関東などかなり偏った分布となっています。
なぜこのような結果になったのか考えてみたのですが、さっぱり理由がわかりませんでした。
しかし、「
イトーヨーカドー 店舗情報」を見てその理由がはっきりとしました。
どうやら、検索数が増えている地域=イトーヨーカドーの出店地域のようです。
イトーヨーカドーがnanacoの普及に大きな役割を果たしているということですね。
なるほど、イトーヨーカドーの出店エリアではない熊本のセブンイレブンでは、nanacoがほとんど利用されていないのも合点がゆきます。
まとめ!
「Google Insights for Search」面白れぇ!…じゃなくて。
月間使用回数ではnanacoが一番という結果になっていますが、全国のユーザーの興味はまだEdyとSuicaに集中しています。
それに続く第3の電子マネーがnanacoということになりそうです。(PASMOはSuicaと同一視のため除外)
しかし、その普及エリアを見ていくと、セブンイレブン単体ではその訴求力は弱いようです。他業種への展開が必要となってきますが、経営母体が流通系ということで、同業他社への導入には大きな壁が存在します。将来的には消えゆく危険性を秘めた電子マネーといってよいでしょう。
なお、現在のところ全国一律に普及している電子マネーはEdy(エディ)以外にありませんが、Sugoca、KITACAといった全国のサイバネ系電子マネーが出そろった場合、相互利用可能なSuicaもほぼ全国ネットワークとなります。鉄道網の発達していない地方都市でどの程度普及するかは未知数ですが、Suicaをはじめとしたサイバネ系電子マネーが地方でも普及した場合、経営母体の財務状況が芳しくないEdy(エディ)はかなりの苦境に立たされることになるでしょうね。
ま、何とか乗り切ってくれるとは思いますが…。
では、長くなりましたが今日はこの辺で。(=^∇^)ノ”
※タイトルは
ホッテントリメーカーにてつけさせていただきました。